TECHNOLOGY テクノロジー

TITANIUM

理想の素材を追求し、国内生産にこだわったチタン・テクノロジー。

パナソニック独自の技術により開発されたチタンフレーム。
そのフレームを構成するチタンチューブはオリジナルの設計理論と技術力により生み出され、国内金属素材メーカーにて生産されています。
そしてその加工技術は、独自の応力解析・分析技術などのノウハウにより進化を続けています。

材質

3AL2.5V チタン合金チューブ

比強度・伸び・弾性のバランス

比強度、伸びに優れた、バランスの良いチタン素材。そのバランスがチタン独自のしなやかさを生み出します。踏み込んだ瞬間に身をキュッとよじり、その直後に溜めたエネルギーを解き放ち、ゴム毬がポーンと弾かれたように一気に加速していく心地よさがチタンフレームの特徴。また、耐食性が高くこまめに手入れをすることで妖艶な輝きを維持でき、永く付き合える素材であることも魅力です。

3Dオプティマム・Xバテッド

軽さ×強さを追求したら、答えは"X"になった

より軽く、強いフレームを実現するため、FEM(Finite Element Method ・有限要素法)による解析をゼロから洗い直し、誕生したのが「3Dオプティマム・Xバテッド」です。左右のペダリングを繰り返す際、ダウンチューブとシートチューブにかかる応力を解析。応力の集中する部分をX型に保持することで、極上のしなやかさを生み出しつつ、剛性の向上とフレームの軽量化を実現しました。また、強度面は、大きな衝撃が加わることがない限り変形することはなく、そして粘りがあるので破断することもありません。

F.Pセレクト

ライダーの体格だけでなく、脚力に合わせて剛性が選べる

個々の体格や脚質の違いに対応できるよう、F.Pセレクト(剛性チョイス)を導入。力のかかるダウンチューブからチェーンステーまでを一つのプラットフォームと考え、2種類のチューブ径を設定しました。筋力のあるライダーには、ハイパワーを受け止める太目のチューブ径「バージョンH」を、体重が軽く、ダンシングを多用するライダーには、しなやかさをもたせた細めのチューブ径「バージョンL」がおすすめ。それぞれに適した剛性としなりが個々のポテンシャルをさらに引き出します。

【 身長目安表 】

※ 色の濃さはオススメ度合いを示します。

(単位:cm)

剛性と軽量を両立した、
クアドレートオーバル
ダウンチューブ

ダウンチューブ真円部をΦ50.8mmへオーバーサイズ化。ヘッドチューブとの溶接部分を縦方向に楕円とし、ハンガー側をシートチューブからBBシェルにかけて引き伸ばし、「クアドレートオーバル(ひし形楕円形状)」に成型。フレーム剛性の向上と軽量化を両立させました。

ライディングに必要な
軽さを実現した、
クロスオーバル
ダウンチューブ

ダウンチューブ真円部をΦ42.7mmへオーバーサイズ化。ヘッドチューブとの溶接部を縦方向に、ハンガー部分との溶接部を横方向にそれぞれ楕円にし、「クロスオーバル」に成型。フレーム剛性を向上させ、ライディングに必要な軽さも実現しました。

スカッシュバックシステム

ペダリング剛性を引き上げ、突き上げ振動を緩和する

ペダリング時の応力を解析し、シートステー、チェーンステー、ダウンチューブのそれぞれを最適形状に変形加工しました。この加工によりペダリングに対する剛性がアップし、フレームの軽量化を実現しました。同時に走行時の突き上げ振動の緩和にも効果があります。

スムースシェイプ・インテグラルヘッド

高速コーナーで威力を発揮

オーバーサイズ化した上で、形状をスムースに。インテグラルヘッドの採用で剛性をアップ。下りや高速コーナーでのライントレース性が高まり、安心して「攻める」ことを可能にしました。

PDTシステム
Panasonic Direct Transmissionシステム

強大な力のかかるハンガー部を強化

ダウンチューブがハンガーを下から支えるようにオフセット。さらにシートチューブともども横楕円化し、両者が極力重ならないようにハンガーに溶接することで、剛性を高めています。

ロストワックス6AL4V
チタン合金ストレートドロップエンド

ロストワックス製法でつくられるドロップエンド。力のかかる部分は厚く強度を持たせ、力のかからない部分は薄く軽量化しています。落車などのトラブルに強い強靭なパナソニックオリジナルのエンドです。

スリーブレスハンガー

高強度チタン合金採用で軽量化

アルミスリーブを用いず、高強度チタン合金に直接ネジを切ったスリーブレスハンガー。Φ42.7mmハンガーは、ワイヤータイプ、電動変速タイプの2種類を用意しています。(対象フレームのみ)

Cr-Mo

伝統を守りながら、さらに進化を続けるクロモリ・テクノロジー

90年代欧州で輝かしい戦績を残したクロモリレースバイク。
その推進力・剛性・性能は脈々と受け継がれています。優れた抗張力をもつプレステージチューブや応用力学で足元を固めるロストワックスエンドなどの先進の技術で、クロモリの伝統を守りながら進化を続けています。

材質

信頼のCr-Mo プレステージ

優れた抗張力、剛性をもつプレステージチューブ

化学成分、機械的処理、熱的処理。この鋼の強さ、硬さに影響を及ぼす、3つのファクターを絶妙にコントロールしたチューブを採用。軽さと優れた抗張力、剛性を実現しました。

インテグラルヘッドラグ

レーシングに求められる高剛性化とフォークとの親和性を高める

ダンシング時の加速力を高め、ダウンヒルでの安定感を発揮するインテグラルヘッドタイプのオリジナルラグを開発。シールドベアリングを直置きするヘッドラグは高精度な加工技術と繊細な低温銀ロー付け溶接を必要とし、匠の技なしには実現できない機構といえます。

650℃の低温銀ロー付け溶接

匠が鍛えた技

ヨーロッパプロチームによる世界一過酷なパリ~ルーベの石畳やツール・ド・フランスでの信頼と勝利から見いだした、理想の溶接温度650℃。
温度管理が極めて難しい低温ロー付け溶接というハードルをパナソニックは克服。
繊細なクロモリの性能をフルに引き出すことに成功しました。

プレステージチューブを溶接した際の変化

ダブルバテッドチューブ

信頼の加工

トップ、ダウン、シートの各チューブは、力のかかる両端を厚く、中央部を薄くするダブルバテッド加工を施しました。軽さと高強度、高剛性という相反する課題をクリアし、優れたバランスづくりに貢献しています。

ロストワックス・ストレートドロップエンド

応用力学で足元を固める

剛性と精度が高いロストワックス製法なので、車輪を組付けた際に路面を正確にトレースできます。またエンド当り面をメッキすることで、ハブのロックナットによる傷もつきにくい仕上げになっています。

ロストワックス3Dリッジハンガーラグ

ロストワックス3Dリッジラグ

フレームの要に彫刻の趣を与える

ロストワックス製法の特性を活かし、肉厚分布・精度・強度、すべての要求をクリア。力のかかる部位には肉厚を厚く、それ以外は極限まで肉厚を薄くし、軽量化と剛性のバランスをつくり出しました。その造形美は、ラグを芸術品にまで高めたといえるでしょう。

ロストワックスラグ

フレームの要に彫刻の趣を与える

一体成型でつくられているので、継ぎ目もなく、強く、造形も美しいラグを形成しています。

ロストワックスクラウン・3DCr-Moフォーク1"JIS

しなやかすぎず、硬すぎず、十分な剛性をもつ

太いカーボンフォークが主流の中、Cr-Moフォークは一見すると華奢に見えるかもしれません。しかし、しなやかすぎず、硬すぎず、十分な剛性をもっています。ロストワックス製クラウンと滑らかなカーブを描くテーパーチューブは振動吸収に優れ、ニュートラルで流れるような乗り味を実現します。